懲戒は企業にとっては、企業秩序を維持するための制度であるが、労働者にとっては重大な不利益を受けるもの。会社が懲戒処分をなしうる根拠はどこに求めるのか。労働関係の本質に関わる問題としての議論の内容を、労働契約法、最高裁判例から、懲戒事由を就業規則に定め、周知させる手続きが必要との基本を押さえる必要がある。懲戒についての行政通達から予想問題。
企業は企業秩序を維持し、規律や秩序を必要とするので当然に、労働者に対する懲戒処分を行う権利を有すると考えられ、したがって、就業規則に特段の定めがなくても懲戒処分は可能であると考えられている。
誤り。労働契約法15条の行政通達(平成24・8・10基発0810第2号)は、「懲戒は、使用者が企業秩序を維持し、企業の円滑な運営を図るために行われるもの」としながら、「懲戒の権利濫用が争われた裁判例もみられ、また、懲戒は労働者に労働契約上の不利益を生じさせるものであることから、権利濫用に該当する懲戒による紛争を防止する必要がある」と趣旨を述べた上で「当該事業場に懲戒の定めがある場合には、その種類及び程度について就業規則に記載することが義務付けられているものであること」として記している。
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