月曜日, 7月 15, 2024
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現場での「ありがとう」を賞与に加点 日本老人福祉財団のバリュー評価

等級ごとの役割や技術達成度といった評価基準だけでは見えてこない、日々の顧客や同僚との関わり合いをどう評価するか――。全国7カ所の介護付き有料老人ホームを運営する日本老人福祉財団(東京都中央区、従業員数1215人)は、昇格基準の明確化をはじめとする人事制度改革の一環として、職員が入居者や同僚職員に対し相互に「ありがとう」と感謝し合えるエピソードなどの報告を、賞与支給に加点する仕組みを4月に始めた。経営企画部の井尻隆夫次長は、「現場での信頼関係の深まりを見える化し、福祉の仕事の魅力を伝える採用面にもつなげたい」と話す。

人事制度改革を進める(左から)前川規・人事部部長、井尻隆夫・経営企画部次長、皆川ひとみ・人事部課長、馬場章夫・施設支援部職員

■関係の深まりを共有 貢献知り褒める機会に

同財団は、関東・東海・関西地域に大規模な介護付き有料老人ホーム7施設を運営。自立期に入居し、終身利用・相互扶助型のケアを提供する「高齢者コミュニティ」の創造を目指している。

昨年4月、介護や看護、調理栄養など10の職種ごとに等級を区分し、役割に応じて40~60ほどの詳細な項目で昇格の基準を明確化した「キャリアラダー」の仕組みを導入。昇進コースとして管理職と別に専門職コースを創設してキャリアを複線化した。管理職層には、行動(コンピテンシー)評価でマネジメント能力向上を促すとともに、個々の職員が目標を設定・共有する管理手法OKR(Objectives and Key Results)で上長との対話を促すなど、人財育成改革を進めている(2023年6月25日号7月15日号で既報)。

改革2年目にあたる今年4月、これらの人事制度に加えて、組織の理念や価値観(バリュー)を体現する行動を加点方式で評価する仕組みを導入した。井尻さんはその背景をこう話す。

「昇格基準を明確化するとともに、昇給の仕組みはシンプルな定期昇給で若手職員の昇給率アップにつなげています。一方、『頑張っている人を評価してほしい』という職員の声に応えるために、定期昇給に加えて加点方式で行動を評価する制度を採り入れました」

具体的には、組織の基本理念や行動規範(右図上段)に基づき、①社会人としての基礎的な行動・ヒューマンスキルを年次昇給係数、賞与係数に加点し、②既存の評価項目にはないが、入居者・利用者や同僚職員へ貢献する行動を、賞与係数に加点するという内容(右図中段)。

特にユニークな②では、入居者や同僚職員と相互に「ありがとう」と感謝し合える行動、もしくは通常業務以外の社会貢献活動やプロジェクト活動などに主体的に参加した行動を「エピソードシート」(右図下段)でまとめ、人材管理システムに入力する仕組みだ。

半年に1回の評価時にシートへ入力すれば基本点を付与し、特に優れた貢献行動には特別点を加算する。

なぜ、「ありがとう」なのか。その狙いを井尻さんはこう説明する。

「介護の現場では、顧客である入居者から日常的に『ありがとう』と言われることが多い。何気ない感謝は職員自身の励みになり、さらに『こちらこそありがとう』と言えるような関係性の深まりが、組織の理念や求める価値観ともつながっています。無数の『ありがとう』をその場限りにせず共有することで、例えば上司が職員と入居者との関わりを知り、褒める機会にもつなげてほしい」

■求める人物像、現場から 採用に通じる共感

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