厚生労働省は労働安全衛生規則を改正して、熱中症による死亡災害の防止に本腰を入れる。6月から、熱中症が生じるおそれのある暑熱下で作業する場合に、事業者に早期発見の体制の整備・周知、重篤化を防止する措置の実施手順の作成・周知を義務化。気温31度以上で継続1時間以上、1日4時間を超えることが見込まれる作業などに限るが、対応を怠ると労働安全衛生法22条違反として罰則「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が適用される。
■暑熱下の長時間作業に限定
労働政策審議会安全衛生分科会が、安衛法22条の高温による健康障害防止義務の具体的措置を定める安衛則改正を了承。熱中症の重篤化による死亡災害を防止するのが狙いで4月上旬に公布、6月に施行し、猛暑が予想される今夏に備える。

熱中症対策の具体的措置として、現行は塩・飲料水の備付けを明記している。安衛則の見直しで新たに、早期発見のための体制の整備と周知、重篤化を防止する措置の実施手順、例えばフローを細かく示した図などの作成・周知を追加する。
ただし義務の対象は、気温が31度以上か、湿度・輻射熱・気温を勘案した湿球黒球温度、つまりWBGTが28度以上の作業場で、継続1時間以上または1日4時間を超えることが見込まれる作業に限定。体制の整備・周知、実施手順の作成・周知を怠ると安衛法22条違反として、6カ月以下の懲役か、50万円以下の罰金が科されることになる。



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