高付加価値人材とは、企業や組織に対して大きな付加価値をもたらす能力や特性を備えた人材を指します。人材の価値、つまり外部労働市場での市場価値は、主にその人がもつ能力や経験、実績、専門性などで決まります。
企業で必要な高付加価値人材は、付加価値を持つと同時に、成果につなげられる人材です。しかし価値があるものでも、5年後10年後にはなくなる可能性もあることに注意が必要です。テクノロジーの進化によって、求められるスキルや知識はどんどん変わっているからです。5年後には「それはもうAIでやっているから要らない」となっている可能性もあるのです。
最近では、能力の中でも論理的思考力、理解力、仮説思考力、問題解決能力や人を巻き込む力なども市場価値を上げる要素になっています。
企業が求める高付加価値人材は多様です。例えば、業務プロセスを効率化する人、画期的なアイデアや製品を生み出す能力を持つ人、あるいはチームをけん引し成果を最大化する力を発揮する人材も必要でしょう。デジタル化やAI導入などの最先端分野でリーダーシップを発揮できる人材や、グローバル市場で活躍できる多言語能力と異文化理解を持つ人材が必要な場合もあるでしょう。企業が高付加価値人材を活用すべき背景としては、競争の激化とともに、より効率的で創造的な成果を求めるという企業のニーズの高まりによります。
このような人材に対しては、高い報酬や待遇が与えられ、組織の中核を担う役割を果たしてもらう必要があるのです。しかし、社内の賃金・人事制度がこうした人材を活かす仕組みではなく、つまり環境変化に適応していない仕組みや従来の規範の中で処遇しようとしますと、こうした人材は企業から離れてしまい、気が付いた時には手遅れになってしまいます。
高付加価値人材として活躍していただくためには、自己成長を継続し、自らの能力を時代や市場のニーズに適応させるための、リスキリングの機会をもうけることも必須です。そして、このような人材を、個人の成功だけでなく、組織全体の成長や社会的な変革にも寄与する存在として活用できるかどうかが重要なのです。