下請代金支払遅延等防止法違反に対し、公正取引委員会による是正勧告が相次いでいる。違反行為は様々だが、価格転嫁を通じた中小事業者の賃上げ原資の確保が狙いだ。
2023年の勧告は8件にとどまるが、24年は3月15日時点ですでに7件を数えている。協議を経ない長年の価格据置きの違法性を指摘するなど、特に労務費転嫁指針の11月末の公表以降、公取委が下請法の執行を強化している。
まず1月23日付けで自動車部品製造販売のメタルテック(愛知県小牧市)に対し、鉄スクラップ売却の対価の一部を下請代金から減額したとして勧告。2月15日には王子ネピア(東京都中央区)を、マスク製造の発注の一部を取り消すなど不当に給付内容を変更したとして勧告した。
2月21日付けの勧告では、ダイオーロジスティクス(愛媛県四国中央市)による目標金額を設定した上での貨物運送の利用の強制を確認。2月28日には自動車空調製造販売のサンデン(群馬県伊勢崎市)が、部品を製造する金型を長年発注することなく無償保管させたとして勧告した。
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