2025年卒業の学生インターンシップから、「5日以上」や「就業体験」などの要件を満たせば、採用選考への学生情報の利用が認められた。企業の関心も高まるなか、インターン制度をどう活用できるのか。20 年近くにわたり東海地域を中心に「ホンキ系インターンシップ」として、企業と学生をつなぐコーディネート活動を展開するNPO法人G-net(岐阜市)の南田修司代表は、「インターンは学生の成長機会であると同時に、企業自身が魅力を高め、人を育てる力を磨き上げる重要な機会」と話す。詳しく聞いた。
■「欲しくても採れない」
2004 年、拠点のある岐阜県や東海地域を中心に地場産業や伝統産業など地域に根差した企業と学生を繋ぐ「ホンキ系インターンシップ事業」を始めました。産業としての新たな挑戦の現場のなかで、短期から長期まで幅広い実践的インターンのプログラムをつくり続けています。
背景にある課題は「人材」です。「欲しくても採れない」「新しいことを仕掛けるための人材が社内にいない」と課題感を持つ事業者が地域にたくさんいる。一方、経験を求めて挑戦したい若者は東京など都市部に出ていきがちです。しかし逆境を跳ね返し地域のなかで新たな価値を生み出す地場産業は、実は若者のキャリア形成や成長意欲を満たす重要な機会になる。双方を繋げたのが実践型の「ホンキ系インターンシップ」です。
特徴は個別のコーディネートと伴走体制です。事業者には必ず専属のコーディネーターがつき、インターン募集の際は経営課題に紐づけて何をやりたいのかを明確に設計。その上で人材のマッチングを進めます。企業はあくまで実習先としての監督責任を持つ点をはじめ、ミスマッチがないよう両者の間に入ってフォローし、長期の場合は約半年間伴走します。これまでにインターン生は通算約1000 人に達し、継続的にインターン受入れを続け若手人材の育成・定着につながっている企業も少なくありません。
大事にしているのは、若者の成長機会であると同時に、企業にとって採用面はじめ事業・組織面を含めた成長機会でもあること。ある経営者は以前、「インターンシップは会社にとって砥石(といし)のようなものだ」とこう話しました。
「お金ではない目的で飛び込んできてくれる若者たちが、半年経っても育たないとしたら、それは会社に人を育てる力がないということだ。働きたいと思える職場なのか、成長実感を持てる環境なのかが試される。インターン生を受け入れることは、企業自身が人材育成力や人を惹きつける魅力を磨き上げるためのチャンスだ」
■企業の成長機会とするための5つのポイント
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