社員の紹介や推薦による「リファラル採用」は、国内外で主要な採用経路の一つとして広がるが、どんな利点があるのか。オフィス向け置き型健康社食を展開するKOMPEITO(東京都品川区)は、創業以来リファラルを主軸に採用を実施。そのポイントについて人事労務チームの寺師尚ノ介リーダーは、「採用の入口で多様な関係性に応じて双方向でやり取りしやすい点と、組織文化への応募者の高いフィット感」とひも解く。実例を交えて詳しく聞いた。
■個々の「助走期間」大切に 家族に紹介のケースも
「中途採用選考のフローとして①書類選考、②人事面接、③部門面接、④最終面接という4つのプロセスは、リファラル採用でも他の広告媒体経由の採用でも変わりません。違うのは最初の紹介の部分です」
社員の紹介による応募者との最初のコンタクトである「カジュアル面談」は、応募者ごとに多様な形になる、と寺師さんは続ける。
「対面やオンラインでじっくり話すこともあれば、他の社員を交えてご飯に行ったり、イベントの際や普段の日常でも気軽にオフィスへ来てもらったりと様々です」
選考フローに移るまでの期間も、カジュアル面談後すぐのケースもあれば、面談後継続検討して1、2年後に準備ができて選考へ、といった人も少なくないという。選考開始後も含め、面談・面接にはすべて寺師さんが同席している。
「会社選びは100人いれば100通りの違いがある。こちらの都合だけを押し付けてもしょうがないし、双方が必要な時間をかけて合意に至ることを大事にしています」
応募者の組織文化への高いフィット感についても、こうした「助走期間」におけるリアルな社内情報の開示にポイントがありそうだ。
実際に、自身もこのほどリファラル採用で入社したという人事チームの白井拓真さんに、その経緯を紹介してもらった。
「前職は人材派遣会社の営業職として働いていて、求職者の方の対応などで得た人事労務のキャリアを生かせる転職を考えていました。実は妻がKOMPEITOで働いていて、人事で募集があると聞いて。転職を決意した決め手になったのは、楽しそうに働いていることが感じられる日々の妻の姿でした」
寺師さんは「面談や面接、あるいは採用広報などを通じて会社のリアルな情報を伝えるようにしていますが、社員からの紹介の段階でかなりの程度把握してくれているケースも多い。特に採用ではカルチャーフィットを重視しているので、フィット感の高い状態から始められることは重要」と話す。
■社内外の垣根低く 取引先とも交流の場
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