人的資本という用語が、賃上げの必要性と共に再び話題にあがっています。人的資本が意味するところは、人材を資本とみなして将来に向けて投資し、ひいてはその価値を最大限に引き出すことです。
企業では、社員に給料を支払うと、借方:給料(費用の増加)/貸方:現金(資産の減少)とした仕訳を行うのが万国共通のルールとされています。少なくとも複式簿記の世界では、給料を含めて社員の雇用に関することは費用とされましたので、経営者はできる限り費用、つまりコストを下げることに気が向いてしまいがちでした。
ところが、より高い賃金を支給しなければ、より良い人材(ここでは資産)が増えないことが分かってきました。リスキリング等の投資を行う事で、企業の市場価値と同様に、その価値が上がる事もわかってきました。
その割には、人材の管理がいまだにずさんな企業が多いのも事実です。これには、会計のルールが、新しい人材観に追いついていないのにも原因があるでしょう。これまでにも、「人間資産会計」の必要性が話題に上がっても、まともにとりあげる企業は少なかったのです。
そんな中、DKモデル®を採用した企業では、いち早く企業内での人材マネジメントが行えるように、「各人別格付け表」(通称「人財マップ」)を使って、すでに人的資本経営を実践しています。社員が担う役割と発揮能力別に1枚のシートにまとめた「マトリクス賃金表🄬」と、この「人財マップ」は連動していますので、定期的な社内人材の棚卸しや、適材配置が見える化でき、企業価値を高めるビジネスモデルとなっているのです。人材が資産、つまり財産だと認識させやすい、こうした地道な仕組みの導入が、今後はもっと必要とされるでしょう。