三位一体の労働市場改革の指針の2本目の柱には、日本企業と外国企業の間に存在する同じ職務の賃金格差の縮小を目指し、「個々の企業の実態に応じた職務給の導入」を据えている。
指針ではまず、職務給(ジョブ型人事)を導入している企業の好事例を明示。導入目的としては、海外進出や新規事業の展開を背景に、「成長志向の人財マネジメントへの転換」「人材育成の専門性強化」「社員の自律的なキャリア形成促進」を挙げる声が目立つ。
人材の配置については、「個別のジョブディスクリプション(職務記述書)を全社員に公開し、そのジョブに対して候補者・希望者から最適な人財を配置する」「全従業員を職種・役割の括りでマッピングした上で、作成したジョブディスクリプションに基づき、ポスティング制度も活用しながらジョブに対して最適な人材配置を行う」などを例示。職務記述書の活用を前提とするなど、ジョブの明確化が職務給導入に不可欠なことを印象づけた。
評価方法については、「ジョブの内容や、成果・行動など遂行状況に応じて処遇を決定する」「ジョブに期待される成果・行動に対応する個人目標を設定し、その達成度に応じて評価を決定して処遇に反映させる」などと列挙。成果や目標の達成度を重んじる傾向が強いが、「自身や他者のための正しい行動」「失敗から学ぶ姿勢」「顧客への共感」「敬意を持ち、他者の意見を真摯に聞く」といったパフォーマンスや行動を踏まえて評価を行う企業も少なくない。
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