市場ニーズに合致した知識や技能を学び直すリスキリングについて、労働者の関心が急激に高まる一方で、諸手を挙げて賛成できない企業のジレンマが広がっている。
ビズリーチがこのほど発表した調査では、95.0%の労働者が「将来的に新たなスキルを身につける必要がある」、企業の98.1%が「年齢にかかわらずリスキリングに積極的に取り組むことが市場価値を上げることに繋がる」と回答。リスキリングの重要性を評価している割合はむしろ企業側のほうが高いが、リスキリングの実施率はというと労働者の67.6%に対し、企業側は26.3%にとどまる。労働者調査の回答者が転職サイトの30代以上会員で、スキルアップやキャリアアップに前向きなことを加味しても、その差は大きい。
企業側が自社の労働者のリスキリング支援に積極的になれない理由として考えられるのが、高スキルを身につけた労働者が他社に転職してしまうリスクだ。政府は労働市場改革の柱の一つに掲げ、在職中にリスキリングを行う個人に直接支援する方向性を明確化。成長分野への労働移動を促す狙いも鮮明にしていることを考慮すれば、企業がリスキリング支援に及び腰になってしまうのも無理はない。
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