■支払い義務は生じない 他社就労を知らなければ
就労マッチングサービスを提供する会社を相手取り、同サービスを通じて就労した労働者が他事業者での就労時間を合算すれば時間外労働に該当するとして割増賃金の支払いを請求。判決は原告が主張する他事業者での就労事実を認めず、会社が副業の事実を把握していないことを踏まえ、請求を却下しています。
■事件の概要
被告が運営するアプリを利用してA社で就労した原告が、賃金支払主体である被告に対し、割増賃金335円を含む未払賃金1675円の支払いを求めた事案です。
原告は令和5年7月、被告が運営するマッチングサービスの規約に同意して利用を開始。同規約には、被告が事業者の賃金債務を併存的に引き受け、労働者に対して賃金を支払う旨が定められており、本件における賃金支払義務者は被告とされています。
原告は利用開始から6日後、A社の東京都内のレジ打ち業務に1時間15分従事しました。賃金支払日は同年8月15日でしたが、原告が振込先となる銀行口座を登録しなかったため被告は、口座登録がなされない場合には賃金を供託する旨を通知し、複数回にわたり登録を求めました。原告がこれに応じなかったことから、被告は同年10月26日付けで賃金を供託しました。
なお、原告は同年10月18日、A社に対し賃金の支払い等を求める少額訴訟を簡易裁判所に提起しましたが、供託が認められ請求を棄却されています。判決は被告に対する請求ですが、利用規約の内容と被告が口座登録を求めて複数回連絡を行っていた経緯等を踏まえ、供託は有効であると判断しています。
また原告はA社での就労とは別に、鹿児島市内の自宅においてB整骨院の業務にも従事していたと主張し、両者における労働時間を通算すると、労働基準法32条所定の法定労働時間を超過するとして、被告に対し割増賃金の支払いを求めました。

原告は勤務表を証拠として提出し、A社での就労日である令和5年7月19日以前に、B整骨院の業務として長時間にわたり断続的に勤務した旨を記載していました。B整骨院の後にA社の就労を通算すると、法定労働時間を超過すると主張しました。
■判決の要旨
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