■例外的降給は慎重に評価を 人事評価に会社の裁量権はあるが
査定で評価を下げられて月給・賞与を減額された原告が、減額前の金額との差額を請求した事件。判決は会社には人事評価に裁量権はあるとしながら、月給の改定の査定は権利濫用で無効と判断。一方、賞与の査定はマイナス評価者も一定程度いることから有効としています。
■事件の概要
原告はXグループにデータアナリストとして入社し、出向先であるX銀行において、施策効果の最大化や業務効率化に向けたデータ分析業務を担当していました。
会社では、月給の改定率は「格付け」と「コンピテンシー評価」、賞与額は「パフォーマンス評価」によって決定される仕組みでした。格付けは役割別に7段階あり、原告は入社から退職まで上から3番目のAAランクに位置。コンピテンシー評価はチャレンジ促進など11項目から構成され、原告は入社以来B評価(昇給率0.3%)で推移していましたが、令和3年12月の査定で初めてC評価(マイナス2.0%)となりました。フィードバック面談ではC評価となった理由の個別説明はされていません。
パフォーマンス評価は概ね3.5以上を維持していたものの、同じく令和3年12月以降は3.0に下落。この令和3年12月査定において、1次・2次評価者である本部長はコンピテンシー評価をB、パフォーマンス評価を3.5としたものの、3次評価者であるX銀行の社長がコンピテンシー評価をC、パフォーマンス評価を3.0とし、それが最終決定となりました。

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