金曜日, 12月 5, 2025
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経歴詐称を強要され退職 SES会社経営者ら事件(令和6・7・19東京地裁判決)

■労働者の意思に反し無効 従わざるを得ない状況

IT未経験の経歴を偽装する訓練を行わせて企業に派遣していた会社を、スキル不足で退職に追い込まれた労働者が提訴。判決は虚偽経歴の作成を強要する業務命令は違法であり、労働者には拒否できない状況があったとして、損害賠償請求を認めました。

■事件の概要

被告は、SES(システムエンジニアリングサービス)事業を展開する複数の会社を経営する2名の代表取締役です。両名は取引先企業にITエンジニアを派遣する過程で、未経験者を「経験者」と偽って送り出していました。採用後、労働者には自社のプログラミングスクールを受講させ、数十万円の受講料を負担させていました。

原告3名はITエンジニアを志望して応募しましたが、会社から「スクールを受講しなければ採用できない」「割引価格で受講できる」との説明を受け、受講契約を締結。しかし、その実態は、IT業界での基本スキルを教えるものではなく、「経歴は盛れるだけ盛るのが普通だ」と指導し、実務経験5年程度や複数の開発実績があるかのように経歴を偽るスキルシートの作成や、虚偽経歴での面接対策を行うものでした。なお、原告の一人は採用当時、大学4年生でした。


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