■協定方式見直しは非現実的
労働政策審議会同一労働同一賃金部会はこのほど労働者派遣制度の見直しについて審議したが、派遣労働者の待遇改善策を新たに見つけ出すのは困難な印象だ。派遣賃金を決定する2つの方法のうち例外の「労使協定方式」をめぐり、労働者側委員からは職業安定統計も含めて活用の偏りを是正すべきとの意見が噴出。ただ9割の派遣元事業主が活用する協定方式に制限をかけるのは非現実的で、契約更新時の待遇差の説明、協定書の明示といったものにとどまる可能性が高い。

派遣賃金を決定する方法は、現行制度で2つの方式を整備。原則と位置づける派遣先均等・均衡方式と、あくまでも例外の協定方式だが、派遣元の導入割合は順に1割、9割とその差は大きい。

同一部会は派遣の待遇改善に向けて審議を重ねているが、均等・均衡待遇規定の見直しをめぐり労使の意見は平行線を辿る。使用者側委員が「両方式の間で満足度に大きな違いがない」「両方式ともに待遇改善が進んでいるのは明らか」だとして現行維持すべきと主張。これに対し、労側は「原則より例外の方式のほうの導入が圧倒的に多いのはおかしい」として改善を強く求めている。
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