金曜日, 12月 5, 2025
ホーム判例コロナ禍で在宅勤務申出て解...

コロナ禍で在宅勤務申出て解雇 オフィス・デヴィ・スカルノ事件(令和6・12・12東京地裁判決)

■社会情勢を前提としたもの 職場の秩序も乱していない

新型コロナウイルスのまん延下で、海外から自宅兼事務所に直接帰宅した会社の代表者に、全従業員が2週間在宅勤務することを伝えると解雇に。その無効を求めて申し立てたところ、感染している可能性があることを前提に在宅勤務を申し出るのは合理的な理由がある旨を判決は述べ、事由のない解雇は無効と断じました。

■事件の概要

被告はデヴィ・スカルノ氏が代表者の芸能タレントのマネジメント会社。原告となったのは、デヴィ氏のSNS等を担当している労働者とマネージャーです。

原告らは事件前にも退職願を提出したこともありますが勤務を継続。しかし令和3年、コロナ禍で緊急事態宣言を発出されている最中に代表者が海外渡航したことがきっかけとなり、本件の事件が起こります。

当時政府は水際対策として海外からの入国者に対し14日間の隔離を要請していましたが、代表者はホテルに宿泊せず自宅に直行。その自宅が原告らの勤務場所であったことから、代表者の新型コロナウイルス感染の可能性を懸念した従業員全員が代表者の帰国後2週間の在宅勤務を申し出ました。すると、これを聞いた代表者は激怒し、その場にいた従業員に対し全員解雇すると告げました。

原告らは令和4年、労働審判の手続きを申し立て、労働審判委員会が代表者に対して、それぞれに300万円を支払うことを命じましたが、代表者が異議を申し立てたため訴訟に移りました。代表者も、原告らによる業務妨害等を主張して損害賠償を求める訴訟を起こしましたが、退けられています。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

既存ユーザのログイン

five × 3 =

   

「労基旬報」メールマガジン

*厳選されたニュースで労働行政の動きをチェック
*人事・労務の実務テーマで記事ピックアップ
*先進企業事例と業界トレンドの今が分かる
*注目の裁判やイベント情報なども随時掲載
(月3回配信、無料)

「労基旬報」紙面のご案内

*月3回、実務に必須の最新情報を厳選した紙面が届く
*法改正から判例、賃金動向までポイント解説
*第一線の専門家によるトレンド解説や先進企業事例
*職場でのよくある疑問にも丁寧に回答
*電子版・オンライン版でオフィス外でも閲覧可能

購読者Web会員登録

「労基旬報」本紙ご購読者の方は、こちらからご登録ください。

人気記事