■給与計算DXの先に何を見るか⑤

▶1982年生まれ、広島大学大学院修了。医療系ITベンチャーでの営業を経て大手社会保険労務士事務所で給与計算やM&A、IT推進事業などに従事。2019年にTECO Designを設立し、1000社超の中小企業でのHRテック導入・運用実績を持つ。
月次給与計算の現場では、「素材集め」と「加工」に時間を取られ、最後の品質担保=チェックが薄くなりがちである。
チェック工程でやるべきは、事前に品質の定義を置くこと。「どの状態ならOKか」を先に決めないと、確認項目は無限に増え、締め切り直前の徒労が発生してしまう。
品質を担保する=チェック業務は、大きく二つの層で捉えると整理しやすい。ひとつはリーガル面のチェック。法定割増の率や端数処理、所得税・住民税・社会保険の計算、標準報酬・月額変更の判定など、法律や通達に合っているかを確認する。
もうひとつはオペレーショナルなチェック。勤怠の締め漏れなし、完璧な転記、身上異動の確実な反映、変動項目の承認有無、前月比や前年同月比の急振れなど、運用の抜け漏れを確認する。前者は「熟練によるもの」が多く、後者は「誤りゼロ」の運用が現実的だ。
■チェック中心の設計へ

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