近年、働き方改革の一環として「週休3日制」を導入する企業が増えています。これは従来の週休2日制に比べて休みが1日増える制度です。
まず、メリットとしては「従業員の生産性向上」が挙げられます。休息時間が増えることで、社員の心身の健康が向上し、集中力や創造性が高まると期待されます。また、ワークライフバランスの向上により、優秀な人材の確保や離職率の低下につながる可能性もあります。特に、育児や介護と仕事を両立したい人にとって魅力的な制度となり、多様な人材を確保しやすくなるのです。さらに、企業のブランディングにも寄与し、採用市場での競争力が向上するでしょう。
一方、デメリットとしては「労働時間の圧縮による業務負担の増加」が懸念されます。例えば、週40時間労働を維持するために1日の労働時間を10時間にする場合、社員の負担が増え、かえって生産性が低下する可能性があるのです。また、単純に労働時間が減ると、業務の効率化が進まない限り、企業の売り上げや利益に悪影響を及ぼすことも考えられます。加えて、顧客対応や取引先との関係にも影響を与える可能性があります。特にBtoB企業では週休3日に対応できない取引先との調整が課題となっています。
業種や業務内容に応じた柔軟な運用が求められますので、導入後の生産性向上等のデータを基に効果を検証することが成功のカギとなるでしょう。

賃金システム研究所🄬所長 賃金改革のプロ・プラチナ企業育成のマイスター🄬
主な著書:「新訂2版 賃金システム再構築マニュアル」、
「赤津雅彦の賃金改革キーワード」、
「伸びる組織のための人事・賃金基礎講座」等
(注)「プラチナ企業育成マイスター」は登録商標です。