若年層をはじめ社員のモチベーションが低下するなかで、働きがいを高める人事施策も十分に進んでいない――。産業能率大学総合研究所などが実施したマネジメント教育実態調査から窺える現状にどう向き合うべきか。「働く個人の意思と組織のニーズを結びつける『目標統合対話』こそが必要。現場のマネージャーへの教育と支援が求められている」と指摘するのは、産業能率大学経営管理研究所の杉村茂晃・主幹研究員だ。詳しく解説してもらった。
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■マネージャー自身が経験していないスキル
もともとMBO(目標管理制度)の思想の背景にあるのは、「目標とは自ら打ち立てるもの」という考え方です。自ら立てるからこそ、自分事として主体的に取組む構えができる。とはいえ個別の目標とは別に、組織として乗り越えるべきミッションもあります。
両者を結びつけるためには、マネージャーが、部下の強みや仕事上のこだわり、成し遂げたいことや実現したい仕事・ビジョンなどを理解し、かつ組織として達成すべきニーズについてもお互いに納得した上で、目標として統合するための「対話」を重ねていくことが必要です。
これは簡単なことではありません。なぜなら、マネージャー自身が部下の時代に、こうした指導やマネジメントを受けていないことが多いからです。自分が受けていないことを、部下に対して実践するための新たなスキルを身につける必要がある。注力すべきは、新任だけでなく既任を含めたマネージャーへの教育と支援です。
忙しいなかでさらに業務を増やすのかと懸念される方もいるかもしれません。しかし、実は新たな仕組みを導入すべきとは限りません。例えばマネジメント教育実態調査によれば、「1on1面談」を実施している割合は61.4%にのぼります。すでに実施している施策の「再定義」こそ必要なのです。さらに具体的に見ていきましょう。
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■「熱量」引き出す対話、フラットな視点で
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