火曜日, 2月 25, 2025
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新卒獲得へ加熱する初任給引上げ 「増額で志望度上がる」の声に敏感反応

■アピール過熱、年収500万円超も

学情が2026年3月卒業・修了予定の大学生・大学院生707人から回答を得た調査で、適正と感じる初任給を尋ねると「月収25~29万円」が25年卒比5.0㌽増の44.1%に上昇し、同6.0㌽減の40.6%に低下した「月収20~24万円」に替わり最多となった。


初任給の引上げなどを行う企業の「志望度が上がる」と92.3%が回答しており、物価高騰と一言で片づけられないほど、学生が適正と感じる初任給の額は上昇している。


学生の意識の高まりに敏感に反応せずにはいられないというのが、企業の本音だろう。人材不足下での新卒獲得のために、25年4月入社の新卒社員の初任給を「大幅に引き上げた」とアピールする声が日満しに過熱する。

不動産業のオープンハウスグループ(東京都千代田区)は、新卒総合職の初任給を2年連続で3万円引き上げて、36万円にすることを決定。グループが採用する新卒の総合職の営業職、企画・マーケティング職、コーポレート職、建築技術職、社内SE職が対象で、初年度の年収は500万円を超える見通しだ。


大和ハウス工業(大阪府大阪市)は、初任給を一気に現行から10万円引き上げる。24年度卒は大
学卒を25.0万円、大学院卒を26.2万円、高等・専門学校卒を23.2万円としていたが、順に35.0万円、36.2万円、33.2万円と増額する。


生活総合サービス業のカクシングループ(東京都足立区)は、経常利益が過去最高を大幅に更新したことから、新卒初任給の拡充を決行。四大卒は30.6万円にするとともに、既存の社員全員の給与も一律で月5万円、年60万円引き上げる。


学習塾を運営するステップ(神奈川県藤沢市)は、4年連続で初任給の引上げを実施。現行は大卒の教師職で29.0万円としているが、人材獲得を見据え1.2万円高い30.2万円に設定した。


内藤証券(大阪府大阪市)は、大卒初任給の引上げを取締役会で決定。現行の27.0万円から30.0万円に改定し、引上げ率は24年卒比11.1%増と二桁増となった。


家電量販店運営のノジマ(神奈川県横浜市)は初任給を、業界最高水準に設定。1万円の上乗せと現場手当の支給で、大卒は30.0万円、大学院卒は31.3万円となる。


このほか電気設備工事の大成温調(東京都品川区)は、初任給を大卒27.5万円、大学院卒28.6万円と、現行から順に2.5万円、2.6万円増やす。


東日本旅客鉄道(東京都渋谷区)も初任給を一律1.2万円引き上げ、大卒26万2075円、大学院卒28万2315円に改定。


また東北電力は、大学卒を同1.6万円増の24.0万円に増額している。


26年度卒初任給を早々に公表する動きもみられる。フィンテック事業のデジタルプラス(東京都渋谷区)は26年度卒を対象に、初任給が50.0万円の優遇枠を新設。


経営コンサルティングのリード・イノベーション(東京都港区)は、26年度大卒で40.0万円に引き上げると発表している。

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