労働基準関係法の次期改正で、確実視される労働解放時間規制の強化。1日単位で時間外労働の上限規制は設けられていないが、仮に「勤務間インターバル制度」が義務化されれば、長時間労働を防止する特効薬になり得る。
勤務間インターバルは、2019年4月施行の働き方改革関連法で制度化。現行は労働時間等設定改善法で、健康・福祉の確保に必要な終業から始業までの時間の設定の努力義務を事業主に課す。
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研究会では、早々に勤務間インターバルの義務化で意見が一致し、論点は制度の詳細に移った。全面施行に十分な準備期間を設けることで合意したが、規制の内容や度合いといった細部まで意見集約するには至らなかった印象だ。
規制の内容では、インターバル時間をめぐり議論が白熱した。時間外・休日労働の複数月平均80時間以内とする上限規制が、確保すべき睡眠時間など科学的根拠に基づいて設定されたことを考えると、休憩1時間を含む最大拘束時間は13時間が限度で、その裏返しの労働解放時間は「原則11時間」案が有力。ただし適用除外業務、手続、確保できなかった場合の代替措置などを今後詰める必要がある。
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一方、規制の度合いに関しては意見が最も割れた。勤務間インターバルを義務、配慮義務、努力義務とする案、また労働基準法、労働時間等設定改善法に規定する案、罰則を適用する案を併記するなど結論を労働政策審議会に委ねる形で報告書をまとめた。
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24年就労条件総合調査で、勤務間インターバルは「導入」が5.7%、「導入予定・検討」が15.6%、「導入予定・検討もない」が78.5%だった。
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ただ導入・検討もない企業の57.6%は、「超過勤務の機会が少なく導入の必要性がない」と回答。全企業に対する割合は45.3%で、導入企業と合わせて51.0%、導入予定・検討まで含むと66.6%まで高まり、義務化の機は熟したともとれる。
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13日超の連続勤務を禁止する予定の「休日」「休憩」「年次有給休暇」に並び、勤務間インターバルの「休息」が労基法の第四の労働解放時間規制に加われば、関係法の次期改正を「休み方改革関連法」と冠しても名前負けしない。