労働基準法の「労働者性」について、労働基準関係法制研究会では現行の法令・解釈を当面維持する意見が大勢を占める。ただ労働者判断の予見可能性の低さなど問題意識を共有しており、専門家を別途招集して見直しを今後検証する方針も示している。
まず労基法9条で「職業の種類を問わず事業又は事務所に使用される者で賃金を支払われる者」などと規定する労働者の定義について、労働者の概念が多様化していることを踏まえて議論。
ギグワーカーの拡大、AI・アルゴリズムによる労務管理が進む諸外国でも根本的な定義を変更する国は少なく、実態も抽象的な属性までもが大きく変化しているわけではないとして、変更の必要性を否定した。
これに対して、労働者性の判断基準に関して研究会の議論は熱を帯びた。現行の判断基準は、「仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由」「業務遂行上の指揮監督」「拘束性の有無」「代替性」「報酬の労務対償性」を掲げ、補強要素の「事業者性」「専属性」などを加味した総合判断を示唆。労働基準法研究会が約40年前にまとめたこともあり、この間の裁判例や学説を考慮して見直しの必要性を検証することで研究会の意見は一致をみている。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。