働き方に中立な社会保険制度の実現に向けて、連合が年金制度改革の具体案を発表した。衆院選での支持政党躍進で発言権が強まることは必至で、特に第3号被保険者制度の廃止提案は見逃せない。
第3号被保険者制度は、厚生年金に加入する会社員などの配偶者が年収130万円未満などの要件を満たすと、保険料を納付することなく老後に基礎年金が受給できる。1985年に導入され、2021年には約763万人とピーク時の3分の2まで減少。女性の社会進出で「不公平」との批判が高まっているが、影響を考慮して制度改正を見送ってきた経緯がある。
連合の第3号被保険者制度廃止提案は、企業規模要件や賃金要件の撤廃、労働時間要件の段階的引下げ、個人事業所に対する業種・人数要件の廃止といった被用者保険の完全適用とセットで行うというもの。改正時期を含めて段階的に制度を縮小していく方向性を、初めて明確化した意義は極めて大きい。
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