今春の労使交渉で賃上げ率が33年ぶりに5%を回復した一方で、早期・希望退職の募集が3年ぶりに年間1万人超ペースで推移している。ただし背景を探ると、業績不振による事業撤退だけではなく、むしろ好調企業の積極的な構造改革が浮かんでくる。
10月に発表した東京商工リサーチの集計によると、2024年1~9月末までに早期・希望退職募集が判明した上場企業は46社を数え、前年同期と比べて16社増加。対象人員も8204人で前年同期の約4倍、23年1年間の3161人の2倍以上に膨れあがり、3年ぶりに年間1万人を超える可能性が出てきた。
46社を社数上位の業種別に並べたのが下の表で、11社3850人の「電気機器」が社数、対象人員ともに最多。以下、「情報・通信業」が7社592人、「繊維製品」が4社694人で続く。電気機器は堺ディスプレイプロダクト工場を停止するシャープ、複数回募集に踏み切ったソニーグループのほか、9月にリコー、カシオ計算機が早期退職募集を公表している。
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