著者は産業医で産婦人科医。男性の育児分野の案内人として綴る。父親のみならず母親から聞いた「リアルな声」を取り上げた本書は、育児の指南書として読むことができる。男女の認識のズレは個人の問題ではなく、社会的問題である。取得率向上ばかりが目標になり、何が必要なのかはあまり問われていないと指摘する。
男性育休の取得率公表、男性版産休制度の創設など、男性育児に関する政策は大きく変化している。しかし、現実に男性が育児をするなかで孤立する父親は少なくない。
著者は、育児は両親だけで行うこと自体が困難だと断言。母親、父親だけではなく分散型育児を目指している。