厚生労働省はこのほど、在宅勤務手当の取扱に関する通達を発出した。毎月5千円を渡切りで支給する手当など、一般的に割増賃金の基礎となる賃金に算入するとしつつ、算入が不要となる実費を弁償する手当の簡略化した計算方法を新たに明示している。
在宅勤務手当を割増賃金の算定基礎から除外するためには、労働者が業務で負担した金額を精算していることが明らかで、国税庁「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」など合理的・客観的な計算方法を、就業規則などに明記する必要がある。労働者各人の通信費・電気代の1カ月ごとの確認のほか、自宅や在宅勤務で使用した部屋の床面積の把握も要求。経済界からは「非現実的な計算方法」との批判に加え、残業をした場合に「在宅勤務の可能な労働者の賃金が不当に高くなる」と、見直しを求めていた。
今回の通達は、全ての手当を実費弁償したものと取り扱うわけではない。賃金への算入を原則とする従前のスタンスは堅持しつつ、国税庁の方法を活用して合理的・客観的に計算した通信費や電気料金であれば、割増賃金の算定基礎から除外できる手当と認めると明確化したものだ。
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