木曜日, 6月 13, 2024
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合理的配慮義務の懈怠の成否 Man to Man Animo事件(令和4・8・30岐阜地裁判決)

■提案だけでは違反にならない 労働者も能力向上に努力する立場

障害の状況を伝えた上で特例子会社に入社した原告が、配慮をして欲しいと申し出た事が実行されていないのは、障害者雇用促進法が定める合理的配慮義務に欠けるとして訴えた事案。ブラウス着用が不可能と事前に申し入れていた事を会社が勧めたとしても、強要ではなく自立のための指導で違反ではないと判断しています。

■判決のポイント

高次脳機能障害及び強迫性障害を有する原告が、障害者雇用促進を目的とした特例子会社を相手に、原告の障害に対する合理的配慮義務違反を主張。500万円の損害賠償を求めた事案です。

原告は入社に際して、障害の状況を伝えて指示は一度に2つまでにしてほしいこと、服装の自由を認めてほしいこと、運動靴しか履けないこと、スーツやブラウスが着られないこと、指示者を一人にしてほしいこと等を申し入れ、被告はこれを了承しました。原告は、これらの申し入れが守られていないことが、障害者雇用促進法36条の5第1項が定める合理的配慮の義務違反に該当するとして訴えを提起しました。原告は休職の後、被告を退職しています。

特に問題となったのは服装の自由であり、ブラウス着用の強要があったと原告は主張しました。判決は、雇用促進法は被告が障害者が自立した業務遂行ができるよう支援、指導を行うことを目的としており、一方の原告は業務遂行能力向上に努力する立場であるとまず前置き。ブラウスの着用は、原告の業務遂行能力の拡大に資するので提案したのであり、それが配慮が求められている事項と抵触する場合であっても、「形式的に配慮が求められる事項と抵触することのみをもって配慮義務違反とすることは相当ではない」としました。「障害者が有為な職業人として自立しようとする努力に協力する責務を負う」立場の被告から指導があった場合には、原告も「業務遂行の向上に努力すべきである」と述べ、訴えを斥けています。

■判決の要旨 原告は能力向上に努力すべき 被告は自立支援に協力する責務

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