2024年春の労使交渉が佳境を迎えているが、23年から潮目が確実に変わった。賃上げに向けた労使の協調は、より強固になった印象。賃上げの予測は3%後半に偏るが、企業が想定以上にベースアップに踏み込めば、31年ぶりの大台回復の目も出てくる。
連合は24年春闘方針で「賃上げ分3%以上、定期昇給分を含めて5%以上」の賃上げを要求。23年の「5%程度」から記述ぶりを強めたのに対して、経団連も24年版経営労働政策特別委員会報告で、ベースアップ実施について「有力な選択肢とした検討が望まれる」と呼びかけ、23年版の「前向きな検討が望まれる」より突っ込んで明記した。
23年は2%後半に偏っていた各種調査機関の賃上げ予測だったが、24年は3%後半が中心となった。高い順に並べると、第一生命経済研究所が3.95%、日本経済研究センターが3.88%、みずほリサーチ&テクノロジーズが3.80%、労務行政研究所が3.66%。好調な業績、物価高、人手不足と賃上げの環境は整っているが、厚生労働省が集計した民間大手の賃上げ率の23年実績3.60%と比べて、微増にとどまるとの見方が大勢を占めている。
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