ピザと呼ばれて慣れ親しむ料理が、いつしかピッツァとも呼ばれて久しい。違いは何だろう。前者はアメリカ発、後者はイタリア発として広まった。
17歳でフィレンツェに留学した著者。金銭的に恵まれぬ当時の胃袋を満たしてくれた、安価な料理がピッツァとパスタだ。誰もが知るイタリア料理の代名詞、マルゲリータとペペロンチーノも、いわゆる「貧乏メシ」扱いに。安くて素朴、しかし美味い。日本の食文化も貧乏メシの宝庫だと気付かされる。
料理にまつわる幾多の思い出と愛情が重なり、イタリアと日本、家族とコミュニティ、互いの食文化の魅力についてユーモラスに綴られる。さて今日の晩御飯は何にしよう。