木曜日, 10月 10, 2024
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人事図書館3月開館へ 発起人 吉田洋介さんに聞く

■本を通じ課題解決の一歩に

人事に関する専門書籍や最新資料などを備えた「人事図書館」が3月、東京・人形町にオープンする。コワーキングスペースを併設し、利用者が学びを深めながら気軽に相談や対話ができる「骨太な課題解決プラットフォーム」を目指すという。昨年10月にX(旧ツイッター)に投稿された発起文が大きな注目を集めて有志の設立準備室が立ち上がり、12月の現地イベントには人事領域を中心に幅広い人が集結。3月の開館に向けて急ピッチで準備が進む。オンラインが隆盛ないま、なぜリアルな場をつくるのか。発起人の吉田洋介さんに詳しく聞いた。

■悩みから一歩踏み出す

吉田洋介(よしだ ようすけ)さん
1982年生まれ。北海道札幌市出身。㈱Trustyyle代表取締役。人事図書館発起人。㈱リクルートマネジメントソリューションズで営業、コンサルティング、海外事業立ち上げなどに計14年間携わった後、21年独立。これまでに500社以上の採用、育成、人事制度、組織開発などを支援。

―なぜ人事図書館を立ち上げたのですか?

吉田さん(以下敬称略) キーワードでいうと「本」と「コミュニティ」の2つの理由があります。

学生時代から組織論に興味があり、組織人事系のコンサルティング会社であるリクルートマネジメントソリューションズで企業の組織づくりの現場に14年間携わった後、2021年に独立しました。

幸い同業者の方とのつながりにも恵まれて、仕事を順調に継続することはできましたが、際立った専門領域など自分自身の「旗」を上げ切れていない状態にモヤモヤ感を抱えてもいました。

そんな試行錯誤を続けるなかで、人事に関する本についてSNSなどで発信した際に、顧客や色々な人から多くの反応や共感の声をもらえたんです。そういえば自分は小さいころから本が好きで、日常のなかで当たり前のように本を読む暮らしを続けてきました。それに気づいたとき、人と比べて無理に旗を立てようとするより、元々自分のなかにあった「本」を通じて人や組織の領域で様々な人が学ぶきっかけをつくっていくような生き方をしていきたい、それが自分の存在価値だと感じた、というのが一つ目の理由です。

もう一つの理由も自身の体験なのですが、人事のテーマは真剣に悩めば悩むほど、周囲の人に相談しづらい面があるんです。入退社に関わるセンシティブな事柄だけでなく、例えば人事制度一つとっても、社内の特定の人を優遇する・しないといったメッセージを発せざるを得ず、周囲への気軽な相談も難しい。不安のなかで、1人で決めなくてはならない担当者の姿を目にすることが多かったのです。

最近ではオンラインでのコミュニティも盛んですが、人事に携わる方々が扱う内容は、一部を切り取って伝えられることで誤解されやすい。端的にいうとSNSで炎上しやすい性質があります。だから背景の文脈も大事にしながらやり取りするためには、オンラインだけでなくリアルな場が必要。そこに人事関係の良書が揃っている環境を整えることで、悩んでいる人が気軽に立ち寄り、学びを得て自分の一歩を踏み出していく、そうしたサイクルに繋げていければと考えました。

幅広い参加者が対話を交わした昨年12月の現地キックオフイベント(画像提供:人事図書館、以下同)。人事に関連するイベントも随時開催している。

お互いの考えや悩んでいることを話し合える場の大事さに気づかせてくれたのは、以前から運営をお手伝いさせてもらっている「壺中人事塾」での経験がありました。今後、人事領域のテーマや重要性が拡大するなか1人の能力ですべてに対応するには限界があり、仲間との対話や先人の知恵などの集合知がますます大事になっていくでしょう。人事図書館を、人や知見が集まることのできる場所にしていきたいと思っています。

■「一緒につくる」決意

コンセプトを定める設立準備室での話し合いを、メンバーの1人が「グラフィックファシリテーション」の手法でその場でイラスト化した1枚

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