フリーランス取引適正化法の12条からは、3章「就業環境の整備」に関して規定。なかでも16条までが中核に当たり、所管する厚生労働大臣が実効性を担保する。
12条では、規模が比較的大きい発注事業者である特定業務委託事業者が提供する募集情報について、的確に表示する義務を規定。まず1項では、発注事業者が新聞や雑誌に掲載する広告などで提供するフリーランスの募集情報について、「虚偽の表示」「誤解を生じさせる表示」を禁じ、2項では「正確」「最新」の内容に保つ義務を課す。
的確表示義務対象となる募集情報の内容は、政令で別途規定。具体的には、報酬や委託者に関する事項を示すほか、「給付の場所や期間・時期に関する事項」などを明示するものとみられる。
13条は、発注事業者による妊娠や出産、育児、介護に対する配慮について定めた。1項では、発注事業者がフリーランスの申出に応じ、育児・介護などと両立して業務に従事することができるように配慮することを義務化。また2項では、配慮義務対象以外のフリーランスに対しても、育児・介護などの状況に応じた必要な配慮をするよう努力義務を課した。
配慮義務対象については、当該フリーランスが契約更新も含めて業務委託を継続した「継続的業務委託」期間を、政令で別途規定して線引き。ただしあくまでも配慮義務であって、特定業務委託事業者にフリーランスの申出内容を必ず実現することまでは求めない。また配慮の具体的な内容は告示で、「妊婦検診の受診のための時間を確保する」「オンラインで業務を行うことができるようにしたりする」といった対応を規定する考えだ。
■ハラスメント対策を義務化
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