厚生労働省は8月25日、2024年度の予算概算要求を公表した。一般会計の総額は、前年度当初予算比5866億円増の33兆7275億円と、要求額で過去最大。特別会計を含む労働予算は労働市場改革に向けて、デジタル訓練のモデル事業に13億円、非正規向けの訓練の試行に3.3億円、職務給調査研究に6200万円などを新規計上。このほかハローワークでのリスキリング支援コーナー新設に38億円、子育て関連の両立支援等助成金に131億円と増額要求している。
■ハローワークでキャリア相談強化
24年度の労働予算は、労働市場改革と多様な人材の活躍促進に関する事業に重点化した。
まずリスキリング支援として、「デジタル訓練のモデル事業」に13億円の新規予算を計上した。協力法人を募り、デジタル関連・DXプロジェクト業務が経験できる「実践の場」を創出。他職種から転職を目指す中高年齢者を年1200人、DX未経験の企業のコア人材を年40人受け入れ、訓練の効果検証を行う。
非正規労働者をターゲットにした在職者訓練についても、試行実施に乗り出す。様々な受講日程・実施手法を用いて720人分の訓練を行う予定で、新たに3.3億円の予算をつけて本格導入に向けて効果を検証する。
職務給の導入に関しては、調査研究・導入に向けた周知・広報に着手。職務給導入をはじめ、配偶者手当の見直しについて留意点をまとめる調査研究を実施するほか、社会保険労務士の関連セミナーへの派遣といった費用に、新たに6200万円の予算を求めた。
労働移動の円滑化に向けた事業としては、キャリアアップに関するハローワークの相談支援体制を大幅に強化。具体的には、「リスキリング支援コーナー(仮称)」を新設するほか、全国47カ所で「リスキリング推進相談支援事業(仮称)」を展開する。労働市場の情報や職業・教育訓練の情報を活用し、在職時から継続的にキャリアアップの相談支援を行うことに加え、必要な訓練選択の助言、職業紹介への誘導などの実施に38億円と大幅に予算を拡充した。
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