■都道府県格差221円に拡大
中央最低賃金審議会は7月28日、2023年度の地域別最低賃金額改定の目安を答申した。物価上昇分4.3%を基準にすべきだとして、引上げ額の目安をAランク41円、Bランク40円、Cランク39円とすることで決着。引上げ額の全国加重平均が過去最大の41円となり、最低賃金の全国平均が1千円を突破することは確実だが、都道府県格差は221円差と前年度から2円拡大する。
今年度の目安小委員会の審議は一部を公開としたほか、4ランクから3ランクに再編して初めてということもあり注目を集めた。丁寧な議論を重ねたが労使の意見は一致せず、例年通り公益委員見解を中央最低賃金審議会に報告している。
公益委員が提案したランク別の引上げの目安額は、Aランクの6都府県が41円、Bランクの28道府県が40円、Cランクの13県が39円(表)。仮に目安通りに47都道府県で改定されると、引上げ額の全国平均は目安制度が始まった1978年以降で最大の41円となる。最低賃金の全国平均も、現行の961円から1002円と、初めて大台を突破するのは確実だ。
目安審議では、「本年中の1千円達成も含めて議論を行う」などと記述された骨太の方針などを踏まえつつ、公益委員が中心となって落としどころを模索。予定していた審議日程を1回増やし、労使各側の意見を丁寧に聴取しながら見解のとりまとめに漕ぎつけた。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。