政府のこども未来戦略会議はこのほど、今後3年間で集中的に取り組むこども・子育て政策を「こども未来戦略方針」にまとめた。2025年度から、男女ともに28日間を上限に育児休業給付の給付率を手取り10割相当となる「8割程度」に引き上げるほか、子どもが2歳未満までの時短勤務を促進するため、「育児時短就業給付(仮称)」を創設。また28年度までに週20労働時間未満の雇用保険の適用拡大を目指すとともに、次世代育成支援対策法についても数値目標の設定やPDCAサイクルの確立など一般事業主行動計画の仕組みを法定する。
■出生時育休に8割給付
施行時期を明確にし、子育て政策を明示。閣議決定する、いわゆる「骨太の方針」に反映し、今夏からの労働政策審議会の分科会・部会で制度設計の議論に着手する。
共働き・共育ての推進策は、給付面と制度面に分けて整理した。まず給付面の対応として、25年度から育児休業給付の給付率を手取りで10割相当まで拡充。男性は出生時育児休業を一定期間以上取得した場合、女性は産休後に取得した育児休業の28日間を上限に、給付率を現行の67%から8割程度に引き上げる。
25年度には、時短勤務を促進するため育児時短就業給付も創設。制度の詳細は明らかにしていないが、子どもが2歳未満の期間に時短勤務を選択しても賃金が低下しないように、給付水準を設定する見通しだ。
一方、28年度の施行を目指し、週20労働時間未満の労働者の雇用保険の適用拡大を検討。保険料負担や手続負担を鑑み、失業時に生計に支障を与える者を中心に、新たに失業給付や育児休業給付の対象とする方向で制度設計を行う。
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