水曜日, 2月 21, 2024
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マスク未着用を理由とした解雇 近鉄住宅管理事件(令和4・12・5大阪地裁判決)

■社会通念上相当ではない 注意指導の形跡もなく 苦情は1件

マンション管理会社の労働者であった原告に対して、マスクを着用しないこと等を理由とした解雇は有効か。原告が業務上の指示に従っていないことは確かだが、過去にも同様の行為で注意を受けていないことや、苦情が1件にとどまっていることなどから、規律違反に当たるが、解雇は相当ではないと判断しています。

■判決のポイント

マンション管理会社である被告に、原告は管理員として雇用契約を締結。平成30年から本件マンションの管理員となりました。

被告は原告に対し、コロナ禍でマンションの住民からマスクをしていないと苦情が届いていることを告げつつ、他のマンションの清掃業務への配置転換の話をし、その後、マスク未着用や通勤手当の不正受給を理由に原告を解雇しました。また、会社は原告との間に合意退職が成立すると主張しました。

判決は、被告の業務はマンションの管理であり、業務遂行上コロナ禍ではマンションの住民に不安を与えないことが必要とし、会社が感染防止対策やマスク着用の徹底を求めていたことから、「被告の従業員としては、使用者である被告の指示に従って、業務を遂行する際には、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底しながら職務を遂行する義務を負っていたことになる」としました。住民からも原告がマスクをしていないとの連絡がされており、マンション管理員として業務上の指示に従っていなかったと認定しました。

しかし、過去に同様の注意を受けていないこと、現実に被告に寄せられた苦情は1件にとどまり、原告の行為が原因となってマンションの契約が解約されているというような事態は生じていないこと、マスク未着用の注意がされていなかったこと、原告がコロナウイルスに感染したことでマンション内でクラスターが発生したという事態がないこともあり、原告の行動が規律違反に当たるとはいえるものの、解雇は社会通念上相当ではないと判断しています。

■判決の要旨 規律違反には該当するが 注意をされた証拠がない

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