■連載:人事考現学(著者:山本圭子 法政大学法学部講師)
2023年ワールドベースボールクラッシックの記録映画が公開されている。大谷翔平選手らが世界制覇したことは記憶に新しい。ところが、優勝メンバーのある選手(以下、Y選手)が、知人女性への性犯罪の嫌疑がかけられ、大きく報道される事態となって、映画のお蔵入りの噂も流れたが、予定通り封切られた。
Y選手のトラブルの報道が出た後も試合に出し続けたため、球団の対応も批判された。更に報道が加熱すると、一転して登録抹消している。
刑事裁判に関する大原則からすれば、確定判決で有罪とされない限りは「推定無罪」、もしかすると、球団は弁護士にそう言われ、使い続けたのかも知れない。Y選手は、事情聴取を受け送検されたが、その際、起訴を求める「厳重処分」ではなく、検察に処分の判断を委ねる「相当処分」の意見が付いたという。もし起訴されなくても、被害者側等が検察審査会に審査申立する可能性もあり、予断を許さない。
皆様の職場で(めったにないだろうが)従業員に社外男女トラブルが生じ警察沙汰となったらどうするだろうか。起訴休職制度を設けている企業もあるだろうが、起訴前だと起訴休職は使えない。年休で休ませるか、使用者が自宅待機を命じるのだろうか。
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