■年金数理人が解説 基礎から読み解く年金制度改革法④

東北大学理学部卒。2016年4月第一生命保険㈱支配人、18年4月㈱第一生命経済研究所研究理事。同年5月~22年6月(公社)日本年金数理人会理事長。25年退職。現在、同会会員として年金数理人の業務に携わる。年金制度の基礎から理解を深める解説に定評がある。
今回から2025年6月13日に成立した年金制度改正法の説明に入ります。公的年金・私的年金に関する法律は5年ごとに改正されています。これは「財政検証」が5年ごとに行われ、翌年の通常国会での審議・決定が一般的であるためです。
年金制度の運営には将来の給付、保険料の見込みが欠かせませんが、それには出生・死亡・経済環境などが大きく関係します。これらは年々変化するため、5年に一度の国勢調査を基に見直しています。
図は財政検証の仕組みを表したもので、04年から新しい枠組みに変わりました。それ以前は「再計算」と呼ばれ、セオリー通り給付建てである公的年金制度において関係式「給付=保険料+運用益」の給付を先に定めて、それを賄うための保険料を再計算していました。しかしながら少子高齢化などの影響もあって保険料は上昇の一途をたどってきたため、以下のように枠組みを大きく変更しました。

①上限を固定した上での保険料の引上げ
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