インターンシップは、学生に実際の職場体験を提供し、職業観の形成やキャリア意識の向上を促すとともに、企業にとっても将来の人材発掘や育成の機会となる重要な取り組みです。従来の採用活動が短期的な選考中心であったのに対し、インターンシップは長期的な関係構築を通じて、企業と学生の相互理解を深める手段として注目されています。
企業がインターンシップを導入する際には、教育的側面と企業利益のバランスを考慮し、計画的かつ法令遵守のもとで運営することが求められます。企業側が特に留意すべきこととして、以下の3点があげられます。
1.目的と内容の明確化
単なる労働力の確保ではなく、教育的意義を重視し、学生が学びを得られるようなプログラム設計を行う必要があり、業務内容、学習目標、指導体制などを明示することで、学生の納得感と満足度を高めることができるのです。
2.法令遵守と労働環境の整備
インターンシップの形態によっては労働基準法や労災保険法の適用が求められる場合があるため、無償・有償の区別や労働契約の有無を明確にすること。また、ハラスメント防止や安全管理など、職場環境の整備も欠かせません。
3.評価とフィードバックの仕組みづくり
学生に対して適切な評価と助言を行うことで、学習効果を高めるとともに、企業側も自社の教育力や受け入れ体制を客観的に見直すことができます。これにより、次回以降のプログラム改善にもつながるのです。
以上のように、インターンシップの導入は単なる採用活動の一環ではなく、教育・育成を重視した社会的責任を伴う取り組みとして、働きがいを生み出す企業の姿勢と体制整備が問われています。

賃金システム研究所🄬所長 賃金改革のプロ・プラチナ企業育成のマイスター🄬
主な著書:「新訂2版 賃金システム再構築マニュアル」、
「赤津雅彦の賃金改革キーワード」、
「伸びる組織のための人事・賃金基礎講座」等
(注)「プラチナ企業育成マイスター」は登録商標です。


