■年金数理人が解説 基礎から読み解く年金制度改革法②

東北大学理学部卒。2016年4月第一生命保険㈱支配人、18年4月㈱第一生命経済研究所研究理事。同年5月~22年6月(公社)日本年金数理人会理事長。25年退職。現在、同会会員として年金数理人の業務に携わる。年金制度の基礎から理解を深める解説に定評がある。
第1回では3階建ての公的年金制度のうち1階部分の「国民年金(基礎年金)」を確認しました。第2回では2階部分の「厚生年金保険」を取り上げます。
■厚生年金保険
公的年金はその時々で呼び方が変わるため、注意しておかないと誤解することがあるのは第1回で触れた通りです。「厚生年金」は2階部分のみを指す場合と、1階を含める場合があります。2階部分のみを指す場合は、基礎年金に対する上乗せとしての「厚生年金」を意味します。1階部分を含める場合は、会社員、公務員などが加入するのが厚生年金、自営業者、学生などが加入するのが国民年金という分け方です。なお会社員、公務員などが納付している厚生年金保険料が、1階と2階を合わせた分であることも、厚生年金が1階を含めて呼ばれる一因となっています。
■見方のポイント
第1回でも触れたとおり、目に見えない年金制度の見方には幾つかのポイントがあり、主なものは「加入・脱退」「給付」「保険料」でした。これらを国民年金と比較しながら順次見ていきましょう。
まず加入ですが、国民年金が全ての国民が20歳になると加入したのに対して、厚生年金保険は会社員・公務員などが仕事に就いた時に加入します。基本的に全員加入ですが、現時点では収入の多寡、企業規模、フルタイムかパートタイムかなどで一定の制限が設けられており、これらは順次緩和されてきています。現在パートタイム労働者は企業規模が51名以上の場合のみ加入しますが、本2025年の法律改正で人数の段階的引き下げ、その後最終的には撤廃が決まっています。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。


