労働安全衛生法の今回の改正では、化学物質による健康障害防止対策も大きな柱といえる。見直しは文書の交付について定める57条の2のみと迫力不足だが、規定を大幅に強化している。
1項では、従前から危険・有害性のある化学物質の譲渡・提供時に、名称のほか成分・含有量、性質、人体への作用、取扱い上の注意、事故発生時の応急措置といった危険性・有害性情報の安全データシート(SDS)による通知義務を課す。見直し後は、通知対象となる化学物質を譲渡する者を、「通知対象物譲渡者等」へと改めている。
2項は通知対象物譲渡者等に対して、1項に掲げる事項を変更する場合の再通知について定めるが、努力義務を義務に格上げする。施行は公布5年以内と時間的な余裕はあるが、1項の通知義務とともに罰則を新たに適用。罰則の条文で詳述するが、虚偽の表示・交付も含めて罰則の対象となるので注意が必要だ。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。


