■家事使用人への労基法適用で労使一致、「事業」概念では対立
労働政策審議会労働条件分科会で、労働基準関係法制の次期改正に向けた審議が始まった。「労働者」性に関しては、研究会を別途新設して判断基準改善を中長期的に検討する一方、家事使用人に労基法を適用することで労使の意見が一致。「事業」概念については労働者側委員が現行を維持すべきと主張したが、使側が一部の労使協議を企業単位で行うことを推奨べきと訴えるなど意見は対立している。
厚生労働省が労働条件分科会に、労働基準関係法制の次期改正の審議を正式に要請した。実態調査の結果を踏まえ、「労働者」「事業」「労使コミュニケーション」「労働時間法制」の4つの論点を中心に検討。今夏に中間整理を行い、年内に報告書をとりまとめる。
3月11日に開催した分科会では、論点のうちの労働者と事業について意見交換を行った。まず労働者に関しては、厚労省が「労働基準法における『労働者』に関する研究会(仮称)」を別途新設することを提案し、労使双方から了承を得た。
新研究会では、労基法上の労働者性の判断基準が作成から約40年経過するなかで、働き方の変化や多様化に対応しきれていないことに鑑み、有識者を参集して改善の方向性を模索する。蓄積された裁判例や学説を分析・研究するほか、プラットフォーム労働に関する議論が白熱するILOなど国際的な動向も注視。来年の通常国会の提出を目指す労基法の次期改正にタイミングを合わせるのではなく、中長期的なスパンで労働者性の判断の予見可能性を高める方策を検討する考えだ。
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