月曜日, 2月 24, 2025

今年もよろしくお願いいたします(深沢孝之)

新・働く人の心と体の心理学 第71回 著者:深沢孝之

今年もよろしくお願いいたします。本連載は70回を超えてどこまで続くのかわかりませんが、実は私は今年の年男で、なんと還暦を迎えます。人生は短い。もう大して失うものはないので、今年も忖度なくメンタルヘルス関連について書いていきたいと思います。タイトルに「心と体」とついているのは、私の関心領域が単にアカデミックで狭い意味での心理学に留まらないことを示したいからです。

実際の社会でも、メンタルヘルス領域における人々の関心はいろいろと動いてきました。うつ病や自殺者の増加とか災害などによるトラウマの話題などが取り上げられた2000年代当たりからは、心理学がブームになりました。その後茂木健一郎氏のような脳科学者が登場して脳科学ブームが起こり、何でも脳で説明する風潮が高まりました。そして20年代、特にコロナ禍以降は免疫学がホットな話題になっています。私から見ると、日本国民の大多数がコロナワクチンを頻回摂取しているために、逆に免疫力が下がってしまい、インフルエンザなどの感染症や病気に罹りやすくなっているため、免疫力を高めたいという需要が人々の中に潜在的に高まっているからではないかと推測しています。最近は高齢化社会が加速する中で、高齢者精神医学の和田秀樹氏の著作がベストセラーになるなど、認知症にならないための、アンチエイジング的な話題も事欠きません。

また私は、気功法や武術、神道などの東洋的な文化や思想にも関心を持ち、何十年と修行やら勉強をしてきているので、これからは東洋医学などの考え方も交えていきたいと思います。

■自律神経について理解しよう

まず手始めに、心身の健康の基本である自律神経について、改めてお話ししておきたいと思います。「自律神経が乱れる」などという言葉を聞いた人もいるかもしれませんし、自律神経をキーワードにした健康本や自己啓発本も数多く出ています。

自律神経の構造や機能はとても複雑なのですが簡単にいうと、脳の中央下部にある脳幹から脊髄を通って、心臓や内臓の各臓器に枝分かれしていく神経のネットワークです。多くの人は、自律神経には2種類あると聞いているかもしれません。交感神経と副交感神経です。交感神経は覚醒時、特にストレスに向き合う時に活性化します。意識は目が覚めてはっきりとし、集中します。興奮や怒り、逆に不安や恐怖などの強い感情が生じます。生理的には瞳孔が拡大し、食欲は抑えられ、血圧は上昇し、動きは敏捷になっていきます。逆に副交感神経はストレスから解放された時に働き、食欲が増し、リラックスした気分になり、眠くなり、力が抜けたような状態になります。仕事をしている時は基本的には交感神経が優位になっており、休憩時間や家にいる時は副交感神経が優位になっているといえるでしょう。交感神経と副交感神経はバランスを取り合って、私たちの心身を支えています。

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