■新・働く人の心と体の心理学 第70回 著者:深沢孝之
アメリカ大統領選挙はご承知の通り、トランプ前大統領が圧倒的な差で返り咲くことになりました。日本のマスメディアは常にアメリカのマスメディアのコピーであり、アメリカのマスメディアは民主党支持、反トランプなので、日本もそれを忠実になぞって報道していました。そのため、大統領選挙を生中継していた報道番組は意外な結果にお通夜状態だったと、SNS、特にトランプ側についたイーロン・マスクが買収したX(旧 Twitter)ではそんな声が顕著でした。
私はマスメディアの、特に政治や経済関係の報道はほとんど信じていませんし、アメリカの実際の状況は、信頼しているジャーナリストやアメリカ人の友人から、過激なリベラル政策のバイデン民主党に怒っている人たちがたくさんいると聞いていたので、何もなければ(暗殺でもされなければ)、トランプが勝つだろうと思っていました。これほどの圧勝とは予想していませんでしたが。一般のアメリカ人の怒りの強さを感じました。
私個人としては、トランプがロバート・ケネディ・ジュニアを保健福祉省の長官に任命したことに大きな期待を持っています。彼は一貫して、コロナ対策やワクチンの問題を指摘し、政府と製薬会社を批判してきたからです。彼はもちろん名門ケネディ家の一員、しかし父のロバート・ケネディや伯父のジョン・F・ケネディ大統領を暗殺されたという稀有な体験を持つ人物です。白昼堂々と身内を殺されたのだから、おそらく彼にとってそれらはトラウマになったでしょう。その心の傷をバネに、エスタブリッシュメントの中にいながらも、単純な反権力とも違う、独立的な動きをしてきたようです。今回は元々民主党員でありながら、バイデン政権の稚拙なリベラル政策に愛想をつかしてトランプ支持に回るという離れ技を演じて見せました。
またケネディ氏はアンソニー・ファウチという、長年アメリカの感染症医療界を牛耳ってきた人物を徹底的に批判してきました。
彼の著書は一時、書店や図書館のボイコットに遭いながらも全米で大ベストセラーになったそうです。(『The Real Anthony Fauci―人類を裏切った男(中)アンソニー・ファウチの正体と大統領医療顧問トップの大罪』経営科学出版)。だから、ケネディ氏がどのような政策を打ち出すのか、私にはとても興味深いですし、戦々恐々としている人も少なくないと思います。
■科学的態度で物事を見るとは
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。