火曜日, 2月 4, 2025

内部通報窓口の信頼構築へ人事部門の役割(濱田正晴)

■組織を発展させる内部通報窓口のつくり方⑧

濱田正晴(はまだ・まさはる)
アムール法律事務所講師
▶オリンパス在職中の2007年に不正疑惑を内部通報。通報を理由とした違法配転を受け提訴し、最高裁で勝訴が確定。2016年に会社と和解し21年退職。各所で講演など多数実施。

内部通報窓口の実状についてエス・ピー・ネットワークが発表した企業担当者への調査からは、いかに通報現場の課題が大きいかが伺えます。

年間通報件数は従業員100人当たり約0.5件で、3年前の調査と比べ0.8件減少。通報者への嫌がらせや報復人事など、不利益行為が確認されたことが「ある」との回答は13.1%でした。

一方、パワハラ疑いの内容が通報の半数を超える割合は32.6%。また37.6%が、繰り返しの通報や通報者による調査内容のSNS掲載などに「苦慮した経験がある」とし、窓口が不満のはけ口として利用されることに苦悩する担当者の声も寄せられています。

調査から見えてくるのは、従業員の通報窓口への「信頼」がいかに重要かということです。「報復を受けるかもしれない」との懸念がぬぐい切れないなかで、内部公益通報に踏み切る従業員はごくわずかでしょう。

また、パワハラ相談が通報窓口に寄せられること自体は、原則問題ありませんが、対応にはハラスメントの方針策定や相談対応、適切な事後措置・防止措置など人事、総務部門を含めた組織的な対策が別途求められます。調査が指摘するように、「不平不満など本来であれば職制上のラインで解決すべき内容の通報が寄せられ、その対応に窓口担当者が疲弊してしまう」といった現場の実態も見据えた取組みが必要です。

そのためには、人事や総務部門の役割が極めて大きいと考えています。

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