労働政策審議会安全衛生分科会は、労働安全衛生法を改正して対策を強化する方針を固めた。個人事業者について、法の保護の対象や義務の主体に位置づけるとともに、労働基準監督署に違反の申告や災害を報告する制度を整備。またストレスチェック制度の検査と面接指導の義務を全規模に拡大するほか、化学物質の危険・有害性情報の通知義務違反に罰則を設ける考えだ。
厚生労働省が11月22日に開いた分科会に、報告案を提示。安衛法改正を視野に入れ、労働安全衛生対策を強化する方向性を明記している。
まず労働者と就業場所が同じ個人事業者を「事業を行う者で労働者を使用しないもの」と定義づけ、保護の対象や義務の主体として法定。その上で、事業者の講じる安全に関する措置に応じて遵守することを罰則付きの義務とし、構造規格・安全装置を具備しない機械の使用禁止と定期自主検査などを義務づける。また危険・有害業務に関して、従事前の特別教育を修了する義務、業務従事中の安全衛生教育を受ける努力義務を課す。
注文者などには、労働者と同様に個人事業者に対しても幅広く労働災害防止措置を講じることを義務づける。建築物貸与者にも同様の措置を求めるが、事務所と工場に限る規制対象となる建築物の範囲に、店舗のバックヤードや物流センター、倉庫などの事業に供されるものを追加。また混在作業での作業間の連絡調整などの措置義務は、業種の限定を解除して対象に個人事業者を含める。
監督署に対し、個人事業者が安衛法令違反を申告して是正を求めることができる制度、個人事業者の業務上災害を報告する制度も整備する。報告制度は、個人事業者の直近上位の注文者に、個人事業者の休業4日以上の災害の遅滞ない報告を義務化。一方、個人事業者にも報告主体に、可能な範囲で災害発生の事実を伝達・報告する義務を課す。なお両制度ともに、申告や報告を理由とした個人事業者への不利益取扱いを禁止する。
■全規模でストレス検査へ
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