金曜日, 11月 15, 2024
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紹介予定派遣と労働契約成否 任天堂ほか事件(令和6・2・27京都地裁判決)

■直接雇用拒否に理由が 協力体制を築けなかったので

原告は紹介予定派遣で被告会社に派遣された保健師らで、産業医との協力体制の構築に至らないことを理由に直接雇用を拒否され、上司からのパワハラと労働契約成立を主張しました。判決はパワハラの一部を認めつつ、紹介予定派遣では直接雇用に至らない場合はあり、直接雇用拒否の理由も合理的であるとして原告の主張を退けました。

■判決のポイント

原告らは紹介予定派遣制度により、保健師として派遣先の会社である任天堂に派遣されました。健康相談室に配置され産業医の指示を受けて就労していましたが、新入社員の健康診断を巡り産業医との関係が悪化。派遣期間6カ月で紹介予定派遣は終了しました。会社は派遣元に対して、産業医と円滑な協力体制の構築に至らなかったためであるとの書面を交付しました。

原告らは会社との間に、直接の労働契約が成立したとして訴訟を提起しました。また、就労中に産業医からパワハラを受け、会社が対応しなかったとして、産業医には不法行為により、会社に対しては使用者責任又は安全配慮義務違反による損害賠償等を求めました。

判決はミーティングの中止や原告らへの無視をパワハラと認め、産業医と会社に10万円ずつの慰謝料を認めましたが、会社の安全配慮義務違反は認めませんでした。

原告らは、会社が派遣元の採用決定に関与した行為が違法あるため労働契約が成立すると主張しましたが、判決は紹介予定派遣に限って特定行為が許容されているとし、直接雇用に向けての期待は法的保護に値しないと述べています。

派遣期間中に産業医と円滑な協力体制の構築に至らなかったという理由は、紹介予定派遣終了の理由として合理的なものと評価できるとしました。原告らにも原因があり、会社が先に雇用していた産業医を優先し、原告らを直接雇用しなかったとしても直ちに不合理であるとはいえない、と断じました。

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