■人事図書館発・人事労務キャリアの先を読む⑥
「計画的偶発性理論」をご存じでしょうか。米国の心理学者、クランボルツ教授によって発表された「個人のキャリアの8割は、本人が予想しない偶然の出来事によって決定される」という考え方です。今回の連載では私自身が人事・カウンセラーとしていつもお伝えしているこの理論をご紹介したいと思います。
VUCA時代の現代。少子高齢化による労働人口減少や多様な働き方など、人事労務分野に関してもVUCAは当てはまります。社会や企業の状況は、個人の意思でコントロールできるわけではないでしょう。キャリアに関しても同様で、外的要因により計画通り行かないことも多々あります。
私自身のキャリアを振り返ると、小学5年生の夏休みに近所の公共図書館で行った1日司書体験をきっかけに「将来は司書として働く」という思いを強く持ち、大学では当然のように図書館学科を選びました。無事に司書資格を取得し卒業するも当時司書として働き先がなく断念。その後、縁あって就職した先で人事労務経験を積み、2014年に独立しました。
時は流れ23年秋のこと。偶然SNSで人事図書館設立の投稿が目に留まりました。人事経験者かつ司書として役に立てるのではと考えた私は即連絡をとり、今は運営の立場に。念願だった司書として活動できています。何年もの時を経てキャリアがつながったわけですが、きっかけは「偶然みていたSNS」。さらにいえば23年秋頃は、私がSNSでの発信・情報収集を強化し始めた時期とも重なります。
「予期せぬ出来事がキャリアを左右する」ことはもちろんですが、その偶然を待っているだけではキャリアは広がりません。予期せぬ出来事に遭遇すべくフレキシブルに行動したり、遭遇後すぐに行動したりすることでチャンスが生まれるのです。現在の私のキャリアは、まさにこの理論どおりになっていると思います。
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