人手不足が深刻化するなかで各社が競うように拡充する福利厚生だが、より従業員目線に立ったものが増えている。
日本マクドナルド(東京都新宿区)は9月10日に、店舗でアルバイトスタッフとして働くクルーのアピアランスポリシーを改訂して、髪色を自由化した。改訂前に大阪で行ったテスト導入でクルーの評判が良かったことから、自己表現の一つとして身だしなみに関する基準のうち、髪色の自由を容認。清潔感があって不快感を与えないこと、フードセーフティに影響がないことを要件に髪色の制限を解除して、クルーがポジティブに仕事に取り組むことができる環境を整備している。
ダイエーは9月24日から、座りながら業務を行うことができる専用のイスの設置を開始した。髪型や服装などの身だしなみ基準の変更に併せて、今年4月からレジスタッフ専用イス設置の実験に着手した結果、従業員の身体的・心理的な負担軽減が接客サービスの向上に寄与したこと、顧客から理解が得られたことを確認。有人レジのある関東エリア79店舗に、合計238脚の専用イスを導入したほか、近畿エリア3店舗でも実験導入を継続することを決めた。
海外旅行代理店業の令和トラベル(東京都渋谷区)は9月12日、海外旅行を50%OFFにする制度「Travel Design」を新たに導入したと発表した。海外旅行を身近に感じてもらうために、一定の条件を満たすメンバーに対し、予約アプリで利用可能な海外旅行50%クーポンを半年に1回付与。また学習支援制度「LEARN NEW」も月5千円の支給に加え、書籍購入やイベント参加など承認を得たものについて費用の一部を新たに負担する。
寝具を開発・販売するロウダン(愛知県春日井市)は9月3日、休憩時間に自社商品を使用しながら昼寝がしやすい環境を整備したと発表。会議・休憩スペースに、ベッドやソファ、ロッキングチェア、リラックスアイテムなど配置し、従業員のストレス緩和・幸福感を上昇させるとともに、自社商品の関心や理解を深めて次なる商品開発のアイデアに活かす。
リーガルメディア事業のアシロ(東京都新宿区)は9月19日、正社員や常勤役員、無期雇用のアルバイト向けに「ファミリーサポートプログラム」を新たに導入したと発表した。指定する癌や脳・心臓疾患などの疾病で休職した場合に、特定傷病休職見舞金を支給。また社員の死亡時に、生計を同一としていた親権を有する子の養育費として、育英見舞金を支給する。
マーケティング支援のfree web hope(東京都中央区)は9月30日、従業員向けの福利厚生「ラーメン山岡家食べ放題」を開始したと発表。東日本の主要ロードサイドを中心に、全国150店舗以上を出店する山岡家の乾麺タイプのラーメンをオフィスに常備し、要望した来客も含めて無料で食べられるようにしている。
システム開発の日本ナレッジスペース(東京都港区)は9月から、口腔ケアの重要性に着目して「デンタルケア補助制度」を新たに導入。歯周病のみならず感染症予防の効果が大きいとして、電動歯ブラシ本体と月々の替え歯ブラシの費用を会社が負担し、全社員と配偶者に配布している。