金曜日, 10月 18, 2024

Re: 心苦しく育休を取りづらいです(山本晴義医師)

■Dr.山本 18万件のメール相談から読みとく働く人のメンタルヘルス⑩

Q 心苦しく育休を取りづらいです【30代男性、公務員】

 子どもが生まれるにあたり、育児休業を取ろうと考えています。上司も同僚も快く送り出してくれると思いますが、人手不足で忙しい中で長期間休むのは心苦しいです。
 過去に育児休業を取った職員には、代わりの人材に目星をつけてから休んでいた人もいたそうです。自分もそうした方がいいのでしょうか。

Answer

山本 晴義(やまもと・はるよし) 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
▶1948年東京生まれ。72年東北大学医学部卒、医学博士。東北大学医学部附属病院などを経て、98年から現職。2000年に始めた「勤労者こころのメール相談」は23年間で相談件数17万件に達する。日本医師会認定産業医。日本心療内科学会評議員。

男性が育児休業や育児時短勤務によって不利益な扱いをされることは「パタニティハラスメント」と呼ばれ、問題視されています。逆に言えば、それが起こってしまう職場が存在するということです。そのような中、良い職場、良い仲間に恵まれたようですね。だからこそ、あなたも仲間を思いやるのでしょう。気持ちはよく理解できます。

その上でのアドバイスとして、「課題の分離」という考え方をお勧めします。これは精神科医アルフレッド・アドラーが提唱した考え方です。困り事を「自分の課題」と「相手の課題」に分けて考える――という方法で、「最終的に結果や責任を引き受けるのは誰か」が基準となります。

あなたが育児休業を取得するかどうかは、あなたやご家族の課題です。きちんと定められた制度・権利ですから、周囲がそれをとがめることがあれば、それは「相手の課題」に踏み込んでいることになります。

また、違う視点で言えば、職場のマネジメントというのは、それを取り仕切る上司の課題です。人手不足だからといって、あなたが代わりに悩む必要はありません。あなたも「相手の課題」に踏み込まず、当人たちに委ねるしかないのです。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

既存ユーザのログイン

four × 2 =

   

「労基旬報」メールマガジン

*厳選されたニュースで労働行政の動きをチェック
*人事・労務の実務テーマで記事ピックアップ
*先進企業事例と業界トレンドの今が分かる
*注目の裁判やイベント情報なども随時掲載
(月3回配信、無料)

購読者Web会員登録

「労基旬報」本紙ご購読者の方は、こちらからご登録ください。

人気記事