音声で聞く、点字で触る、文字を見ながら音で聞く……さまざまな情報へのアクセス方法で本の世界を楽しむ「アクセシブルブック」は、例えばスマホの読み上げ機能のように私たちに身近な存在でもある。
視覚障害者向けの音訳図書ボランティアから公共図書館の役割、読書バリアフリー法の背景、電子書籍の国際規格の成立ちまで、当事者や専門家への豊富な取材に基づき、アクセシブルブックとその背景にある「本の生態系(エコシステム)」を易しく解説。
社会のバリア(障壁)を取り除く視点とともに、「聞く読書」の広がりにみるように障害の有無に関わらず、あらゆる人が利用しやすいユニバーサルデザインの重要性に気づかされる。日々の日常のなかで、例えば社内資料の作成やSNSでの発信などの場面でも、「はじめのいっぽ」は案外身近にあるのかもしれない。