金曜日, 11月 22, 2024

2024年10月施行 社会保険適用拡大の全体像(宮武貴美)

宮武貴美(みやたけ・たかみ)
▶社会保険労務士法人名南経営所属の社会保険労務士。中小企業から上場企業まで幅広い顧客を担当し、実務に即した人事労務管理の様々なアドバイスを行う。「社会保険の手続きがひとりでミスなくできる本」(日本実業出版社)等、著書多数。

■社会保険適用拡大 企業が対応すべきツボ

2020年の年金制度改正で、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の被保険者の範囲を拡大すること(社会保険の適用拡大)が決定し、22年10月、24年10月の2回にわけて施行されることになりました。本連載では、約4カ月後に迫った24年10月に施行される制度の詳細を解説します。

■社会保険の加入基準

社会保険は正社員のほか、一定のパートタイマー・アルバイト等の短時間労働者(以下、「パートタイマー等」という)も加入します。現在、従業員数100人以下の企業では、1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上であるパートタイマー等が加入することになっていますが、社会保険の適用拡大により、従業員数50人超100人以下の企業では新たに図表に示した4つの要件を満たしたパートタイマー等も「短時間労働者」として社会保険に加入することになります。


社会保険に加入する事業所は「適用事業所」と呼びますが、短時間労働者も社会保険に加入する事業所を適用事業所の中でも「特定適用事業所」と呼びます。

■従業員数の定義

社会保険の適用拡大の対象となる企業(事業所)の規模は、わかりやすさを優先して「従業員数50人超」と表現されることが多くなっていますが、「従業員」とは社会保険の適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の総数を指します。この際、70歳以上で健康保険のみ加入しているような人は総数に含まれません。

■50人超の判断

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